とはいっても、私には電力需要予測を行う材料もないので、昨年と今年の需要実績から傾向を見てみたいと思う。
ここでは昨日ブログに掲載した「東京の最高温度と東電需要実績のグラフ」をベースに、本年はどの程度の節電がなされているかを試算し、これを元に今後を占ってみよう。
グラフを見ながら、読んでいただきたいが、まず基本となる手法を次に示そう。
昨年6月初めから9月末までと本年の昨日までの、東京で30度を超えた日の東電電力需要実績を比較して、どのくらいの節電が実現しているかを推測する。
次にそのデータを示す。
30度を超えた日数 需要実績平均(万kw)
- 2010年6月 4日 4825
- 2011年6月 6日 4333
- 2010年7月 22日 5090
- 2011年7月(15日まで) 13日 4339
- 2010年8月 30日 5262
- 2010年9月 14日 5303
- 2010年6-7月平均 5049
- 2011年6-7月平均 4337
- 2010年6-9月平均 5191
さらに、昨年6-9月平均と本年の6月初めからこれまでの平均を比べてみると、854万kw減で、約16.5%のマイナスとなる。昨年8月の猛暑(僅か1日しか30度を下回らなかった)を考えると、今年が平年並みの暑さであれば、この程度の減少は期待できるかもしれない。
なんと偶然(?)にも15%程度の節電がいいペースで進んでいることを証明してしまった(?)。
ちょっと出来すぎか。
それではこの平均値を昨年の最大電力消費量に当てはめてみよう。昨年の最大電力量は7月23日の5999万kwである。 14%減で5159万kw、15%で5099万kw、16%減で5039万kwとなる。
妙な結論になってしまったが、私の結論は東電の目論見通りということのようだ。15%節電が上手くいくとすれば、本年の最大電力量は5100万kw程度となり、東電が想定している最大需要量5500万kwを400万kwも下回ることになる。
最近東北電のみならず、関西にまで電力融通できるようなことを言い出した東電の強気の元はこういうことなのかもしれない。東北電140万kw、関西100万kw程度なら十分可能というわけである。
念のため需要量の少ない土、日、祝祭日を除いて計算すると、次の通りとなり、一段と節電効果が高まる結果となる。
30度を超えた日数 需要実績平均(万kw)
- 2010年6月 4日 4825
- 2011年6月 6日 4333
- 2010年7月 14日 5378
- 2011年7月(15日まで) 10日 4412
- 2010年8月 21日 5508
- 2010年9月 10日 5492
- 2010年6-7月平均 5255
- 2011年6-7月平均 4382
- 2010年6-9月平均 5412
昨年6-9月平均と本年の6月初めからこれまでの平均を比べてみると、1030万kw減で、約19%のマイナスとなる。
昨年の最大電力量5999万kwに当てはめると、16.6%減で5003万kw、18%で4919万kw、19%減で4859万kwとなる。
ひょっとすると天候次第では最大電力量は5000万kwに届かない可能性もあるのではないか。
これは東電にとっては上手く行き過ぎで、これでは原発などまったく不要という結論になってしまう。
上手の手から水が漏れたのか?それとも東電としてもいまさら原発でもあるまいと、高を括ったか。
確かに現実的に見て東電が企業として生き残ったとしても、これから原発をさらに推進することは不可能である。菅さんも脱原発宣言をしたことだし、この際東電も脱原発で行こうということか。
問題は他の八電力が親分について行けるか。原発推進派にとってもここは正念場であろう。
以上 (110716元データの修正に基づき一部改定。)
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